Q.

貸しレコード店を経営したいと考えているのですが、音楽CDの貸与について、著作権の問題はありますか。

 音楽の著作権  | 関連用語: 貸与権

A.

関係権利者の了解が必要です。

一般に音楽CDには、[1]作詞家・作曲家などの著作権、[2]演奏家・歌手など実演家の著作隣接権、[3]レコード原盤作成者であるレコード製作者の著作隣接権、の3種類の権利が関係してきますが、各権利者とも、著作権法上、貸与権([2]と[3]はCDの発売後1年経つと貸与権から単なる報酬請求権に変更される)を有していますので、原則としてこれらの関係権権利者の了解なしに貸しレコード店を経営することはできません(第26条の3、第95条の3、第97条の3)。

用語の説明

貸与権
財産権としての著作権又は著作隣接権の一つで、 著作物をその複製物により公衆に「貸与」することに関する権利です(第26条の3)。

貸与には、どのような名義・方法でするかを問わず、貸与と同様の使用の権原を取得させる行為、例えば買戻特約付譲渡等も含まれます。また、貸与権は、著作物の場合、映画の著作物を除く著作物に与えられた権利ですが、映画の著作物に貸与に関する権利がないわけではなく、映画の著作物のみに与えられている頒布権(第26条)には貸与に関する権利が含まれています。実演家およびレコード製作者については、市販用の音楽CD等の録音物について、音楽CD等の販売から1年間に限り、貸与権が与えられています(1年を超えるものは報酬請求権)。したがって、例えば貸しレコード店で音楽CDが貸された場合は、著作権および著作隣接権(実演家及びレコード製作者)の貸与権が働くことになり、これらの権利者の了解なしには事業を行うことは出来ません。ただし、例えば公共図書館の本やCDの貸出しの場合のように、貸与が非営利かつ無料で行われている場合は、権利者の了解を得なくともできることとしています(第38条第4項)。