Q.

ある会社に頼まれて提出したレポートの内容が私に無断で改変され、私の意図した結論とはまったく違う結論に書き換えられてしまいました。どのような措置を要求できますか。

 文章の著作権  | 関連用語: 著作者人格権 同一性保持権

A.

質問の場合は、著作者人格権(同一性保持権)(第20条)の侵害と考えられますので、これ以上のレポートの頒布の禁止、既に頒布されたレポートの回収、慰謝料の請求、謝罪広告の掲載などを求めることが可能です。

著作者人格権の侵害については、一般に差止請求(第112条)、慰謝料の請求(民法第710条)及び名誉回復等の措置(第115条)に基づく請求が可能です。

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用語の説明

著作者人格権
著作者の人格的な利益について、法律上の保護を図るものです。著作者人格権は、その性質上、著作者固有の権利として認められるものであり、他人に譲渡することができない「一身専属的な権利(第59条)」とされています。

著作者人格権には、公表権(第18条)、氏名表示権(第19条)、同一性保持権(第20条)がありますが、これらを侵害しない行為であっても、著作者の名誉又は声望を害する方法により著作物を利用する行為は、著作者人格権の侵害とみなされます(第113条第6項)。
同一性保持権
自分の著作物の内容や題号を、自分の意に反して無断で「改変」(変更・切除等)されない権利です(第20条)。

ただし、著作物の性質やその利用の目的・態様に照らしてやむを得ないと認められる場合は除かれます。例えば、印刷機の性能の問題で色がうまく出ないとか、「歌手の歌が下手」などという場合が、これに当たります。