視覚障害者等のための複製等が認められている施設では、具体的にどのようなことが著作権者の許諾なくできますか。
著作権の汎用的な質問 | 関連用語: 視覚障害者等のための複製等が認められる者
市販の図書等を録音図書や拡大図書、デイジー図書として作成するなど、視覚障害者等が必要な方式での複製ができます。
また、作成した複製物を貸し出したり、インターネット送信することも可能です。
ただし、視覚障害者等以外の者へのこれらの提供はできません。
なお、著作権者又はその許諾を受けた者等が自ら、障害者にとって必要な方式での著作物を提供している場合(既に録音図書が市販されている場合など)には、この権利制限の適用をしないこととしています。これは、障害者の方への著作物の提供に当たっては、本来、権利者自らが障害者に対応した方式で著作物を提供するということが望ましいという考え方から、そうしたインセンティブを損なわないようにするためです。
(第37条第3項)
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用語の説明
- 視覚障害者等のための複製等が認められる者
- 以下の施設を設置して視覚障害者等のために情報を提供する事業を行う者が一般的に定められています。 (法第37条第3項、令第2条関係)
[1] 児童福祉法第7条第1項の障害児入所施設及び児童発達支援センター
[2] 大学等の図書館及びこれに類する施設
[3] 国立国会図書館
[4] 身体障害者福祉法第5条第1項の視聴覚障害者情報提供施設
[5] 図書館法第2条第1項の図書館
[6] 学校図書館法第2条の学校図書館
[7] 老人福祉法第5条の3の養護老人ホーム及び特別養護老人ホーム
[8] 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第5条第11項に規定する障害者支援施設及び同条第1項に規定する障害福祉サービス事業(同条第7項に規定する生活介護、同条第12項に規定する自立訓練、同条第13項に規定する就労移行支援又は同条第14項に規定する就労継続支援を行う事業に限る。)を行う施設
その他、以下の条件が付加されています。
・ [1]、[4]及び[8]を設置する者については、非営利目的の法人に限定。
・ [5]については、司書又はこれに相当する職員として著作権法施行規則第1条の3で定める職員を置いている図書館に限定。また、その設置主体を地方公共団体又は公益社団法人若しくは公益財団法人に限定。
また、[1]~[8]の施設を設置する者のほか、視覚障害者等のために情報を提供する事業を行う法人(法人格を有しない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含む。)のうち、「視覚障害者等のための複製又は自動公衆送信(送信可能化を含む。)を的確かつ円滑に行うことができる技術的能力、経理的基礎その他の体制を有するものとして文化庁長官が指定するもの」が定められています。