パロディの方法にもよりますが、一般に著作物の複製や翻案に該当する場合が多く、また著作物の同一性を損なうことも多いと考えられますので、権利者から複製権(第21条)、翻案権(第27条)又は同一性保持権(第20条)の侵害で訴えられる可能性は常に考えられ慎重に対処する必要があると思います。
ある作品をパロデイにするというのは、世間によく知られた作品の特徴を残しながら内容を変えて滑稽化・諷刺化することを言いますが、例えばフランスのように、著作物のパロデイ化について著作権を法律上制限している国があるものの、我が国はそのような法制はとってないので、原則に戻って考える必要があります。
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用語の説明
- 同一性保持権
- 自分の著作物の内容や題号を、自分の意に反して無断で「改変」(変更・切除等)されない権利です(第20条)。
ただし、著作物の性質やその利用の目的・態様に照らしてやむを得ないと認められる場合は除かれます。例えば、印刷機の性能の問題で色がうまく出ないとか、「歌手の歌が下手」などという場合が、これに当たります。 - 複製権
- 手書き、印刷、写真撮影、複写、録音、録画、パソコンのハードディスクやサーバーへの蓄積など、どのような方法であれ、著作物を「形のある物に再製する」(コピーする) ことに関する権利で、すべての著作物を対象とする最も基本的な権利です。「生」のものを録音・録画・筆記するようなことも含まれます(第21条)。
なお、脚本等の演劇用の著作物の場合は、それが上演・放送されたものを録音・録画することも、複製に当たります。
また、建築の著作物に関しては、その「図面」に従って建築物を作ることも、複製に当たります (建築に関する図面自体は、「図形の著作物」として保護されます)。 - 翻案権
- 二次的著作物の創作権(第27条)の一つです。著作物に創作性を加えて別の著作物を作成する権利のことをいい、原作を脚本にしたり(脚色化)、映画にしたり(映画化)、文書を要約したりする場合に働く権利です。