Q.

有名なマンガから着想を得て、新たにマンガを書いた場合、著作権の侵害に当たるのでしょうか。

 絵の著作権  | 関連用語: 二次的著作物の創作権 複製権

A.

一般にアイデイアの利用にとどまっている場合は著作権の問題は生じませんが、それ以外の場合は、著作権の侵害になる可能性があります。

原作マンガに着想・ヒントは得たけれど、ストーリーも時代や場所の設定も登場キャラクターも全く異なる作品を制作した場合は、原作をはなれた独立した著作物と評価できますので、著作権の問題は一般に生じません。一方、原作マンガの延長線上にあるようなもの、原作に依存し原作がなければ成立しなかったようなものの場合は、新しいマンガは、着想を得たマンガを原作とする二次的著作物ということになります。この場合、著作権者は二次的著作物を創作する権利(翻案権、第27条))を有していますので、無断で行われると著作権の問題が生じることになります。どのような場合が翻案に該当するかの判断は非常に難しい問題ですが、簡単にいえば、両者を比較してどの程度似ているのかということです。なお、両者を比較して表現に一部修正増減を加えた程度であれば、単なる複製と考えられます(第21条)。

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用語の説明

二次的著作物の創作権
ある著作物(原著作物)を、翻訳したり、編曲したり、映画化したり、表現形式を変更したりする等して創作された著作物を二次的著作物と呼びます(第2条第1項第11号)。このように二次的著作物を創作する権利のことを、二次的著作物の創作権(第27条)といい、原作の著作権者の了解がないと二次的著作物は作れないことになっています。なお、この権利は、翻訳権、編曲権、変形権(例えば平面的な著作物を立体的な著作物にすること)、翻案権(脚色化、映画化等)からなっています。
複製権
手書き、印刷、写真撮影、複写、録音、録画、パソコンのハードディスクやサーバーへの蓄積など、どのような方法であれ、著作物を「形のある物に再製する」(コピーする) ことに関する権利で、すべての著作物を対象とする最も基本的な権利です。「生」のものを録音・録画・筆記するようなことも含まれます(第21条)。

なお、脚本等の演劇用の著作物の場合は、それが上演・放送されたものを録音・録画することも、複製に当たります。

また、建築の著作物に関しては、その「図面」に従って建築物を作ることも、複製に当たります (建築に関する図面自体は、「図形の著作物」として保護されます)。