Q.

「戦時加算」について教えてください。

 著作権の汎用的な質問  | 関連用語: 戦時加算

A.

戦時加算とは、我が国が、太平洋戦争中、第二次大戦の旧連合国国民の著作権について保護しなかったということで、サンフランシスコ平和条約によって課された我が国の義務で、当該著作権の通常の保護期間に戦時期間を加算して保護するという制度のことをいいます。具体的には、通常の保護期間に、戦争期間(開戦日の昭和16(1941)年12月8日又は著作権を取得した日から条約の発効した日の前日までの実日数(例えば、米国、英国ーー3794日、オランダーー3844日、ベルギー3910日))を加算することになっています(連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律第4条)。なお、中立国(スイス等)や枢軸国(ドイツ、イタリア)については、適用はありません。またこの義務は日本だけが負い、交戦相手国の連合国にはありません。

用語の説明

戦時加算
太平洋戦争後、我が国と連合国が締結したサンフランシスコ平和条約に基づく、保護期間の特例です。条約関係にある連合国の国民が第二次世界大戦前又は大戦中に取得した著作権については、戦争期間中我が国が連合国民の著作権を保護していなかったという前提のもとに、通常の保護期間に戦争期間(昭和16年(1941年)12月8日又は著作権を取得した日から平和条約の発効する日の前日までの実日数(パキスタン1,393日、ニュージーランド1,607日、レバノン2,291日、アメリカ・イギリス・オーストラリア・カナダ・スリランカ(セイロン)・フランス:3,794日、ブラジル:3,816日、オランダ:3,844日、ノルウェー:3,846日、ベルギー:3,910日、南アフリカ:3,929日、ルクセンブルク4,111日、ギリシャ:4,180日))を加算することとなっています(連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律第4条)。なお、この戦時加算は、中立国(スイス、スウェーデン等)、枢軸国(ドイツ、イタリア)には適用はありません。