いわゆる着メロの配信は音楽の公衆送信に該当するので、著作権者の了解が必要です。
著作権法上、著作権者は公衆送信権を有しています(第23条第1項)。公衆送信とは、放送又は有線放送のように同一の内容を同時に送信する場合だけでなく、例えば、利用者からの求めに応じ携帯電話へ送信する場合も公衆送信の概念に含まれます。なお、実際に事業を行う際は、日本音楽箸作権協会等の著作権を集中的に管理している団体から一括して許諾を受けることになります。また、音源に市販の音楽CDを用いるときは、前述の許諾に加えて、音楽CDにかかる実演家(歌手、演奏家等)及びレコード製作者(レコード原盤の作成者等)の了解が必要になります(送信可能化権。第92条の2、第96条の2)。
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用語の説明
- 公衆送信
- 公衆によって直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信を行うことをいいます(第2条第1項第7の2号)。公衆送信は、その利用形態によって、放送や有線放送のように同一の内容を同時に公衆へ送信する形態のもの(第2条第1項第8号、第2条第1項第9号の2)と、インターネット送信のように利用者のリクエストに応じて送信する形態の2つに大別されます。また後者は、更にホームページに掲載された情報が利用者の求めに応じ送信されるように送信行為が自動的に行われるものを「自動公衆送信」(第2条第1項第9の4号)と呼び、ファックス送信のように利用者の求めに応じ手動で送信する場合と区別しています。これは、自動公衆送信については、ホームページに情報を掲載している状態すなわち利用者の求めがあればいつでも送信できる状態に置くことを「送信可能化」(第2条第1項第9の5号)の状態とし公衆送信の概念に含めているからです。したがって、権利者側から見れば、自分の著作物がホームページに掲載されている状態をもって公衆送信権(第23条第1項)侵害を主張できるため、送信行為があったことの立証負担が軽減されることになります。
なお、同一の建物内や敷地内で有線LANもしくは無線LANを用いて送信する行為は、コンサート会場でのマイク設備を用いて行う送信等とのバランスを考慮し、プログラムの著作物を除き公衆送信には該当せず、例えば音楽の演奏、脚本の上演、映画の上映、本の口述に該当することになっています。 - 公衆送信権
- 公衆送信権は、著作物を公衆向けに「送信」することに関する権利(第23条)であり、公衆向けであれば、無線・有線を問わず、あらゆる送信形態が対象となります。具体的には、次のような場合が含まれます。
(a) テレビ、ラジオなどの「放送」や「有線放送」
(著作物が、常に受信者の手元まで送信されているような送信形態)
(b) インターネットなどを通じた「自動公衆送信」
(受信者がアクセスした(選択した)著作物だけが、手元に送信されるような送信形態。受信者が選択した著作物を送信する装置(自動公衆送信装置=サーバーなど)の内部に著作物が蓄積される「ホームページ」のような場合と、蓄積されない「ウェブキャスト」などの場合がある)
(c) 電話などでの申込みを受けてその都度手動で送信すること
(ファックスやメールを用いるもの。サーバー等の機器によってこれを自動化したものが (b)の場合。)
上記(b)の場合、この権利は、サーバー等の「自動公衆送信装置」からの「送信」だけでなく、その前段階の行為である、「自動公衆送信装置」への「蓄積」(いわゆるアップロード)や「入力」(ウェブキャストなど蓄積を伴わない場合)などにも及びます。こうした行為により、蓄積・入力された著作物は、「受信者からのアクセス(選択)があり次第『送信』され得る」という状態に置かれるため、これらの行為は「送信可能化」と総称されています。
つまり、無断で「送信可能化」すると、まだ、受信者への送信が行われていなくても、権利侵害となるわけです。
なお、この公衆送信権は、学校内などの「同一の構内」においてのみ行われる「送信」は、プログラム以外は対象とはなりません。ただし、校内LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)を使う場合は、サーバー等に「コピー」ができますので、コピーすることについて著作権者の了解を得ることが必要となります。 - 実演家
- 実演を行った者(俳優、舞踊家、歌手など)、実演を指揮した者又は実演を演出した者をいいます(第2条第1項第4号)。
- 自動公衆送信
- サーバー等の送信用コンピュータに蓄積された情報を、公衆のアクセスがあり次第、自動的にその端末機器に向けて情報を送信することをいいます(第2条第1項第9の4号)。インタラクティブ送信(双方向型送信)とも呼ばれます。放送や有線放送のように同時に多数の人に送信する形態のものは自動公衆送信には当たりません。
- (社)日本音楽著作権協会
- 音楽の著作権を集中管理している著作権等管理事業者団体の1つです。通称JASRAC(ジャスラック)。 作詞家、作曲家、音楽出版社等・団体と信託による管理委託契約を締結し、音楽の複製、演奏、出版、配信、放送・有線放送、貸与などほとんどの利用形態について管理しています。
- 送信可能化
- サーバー等の「自動公衆送信装置」を利用して情報を、公衆からのアクセスに応じて送信されるようにするため、ネットワークに接続されている「自動公衆送信装置」に情報を「蓄積」(いわゆるアップロード)・「入力」(ウェブキャストなど蓄積を伴わない場合)等することや、既に情報が「蓄積」・「入力」等されている「自動公衆送信装置」をネットワークに接続することをいいます(第2条第1項第9の5号)。このような行為により、「蓄積」・「入力」された著作物は、「受信者からのアクセスがあり次第『送信』され得る」という状態に置かれるため、著作権法では、これらの行為を「送信可能化」と定義しています。
- 送信可能化権
- 「実演家」、「レコード製作者」、「放送事業者」及び「有線放送事業者」が有する著作隣接権の一つで、それぞれ次のような内容となっています。
(実演家)
(ア)生の実演
自分の「生の実演」を、サーバー等の「自動公衆送信装置」に「蓄積」・「入力」することにより、「受信者からのアクセスがあり次第『送信』され得る」状態に置くことに関する権利です(第92条の2)。
(イ)レコードに録音された実演
レコードに録音された実演を送信可能化する場合にも権利が働きます(第92条の2)。
(ウ)映画の著作物に録音・録画された実演
実演家の了解を得ないで映画の著作物に録音・録画された実演を用いる場合に権利が働きます(第92条の2第1項)。なお、サウンドトラック盤等を用いる場合については、実演家の了解の有無に関わらず権利が働きます(第92条の2第2項第2号)。
(レコード製作者)
レコードを、サーバー等の「自動公衆送信装置」に「蓄積」・「入力」することにより、「受信者からのアクセスがあり次第『送信』され得る」状態に置くことに関する権利です(第96条の2)。
(放送事業者)
放送(放送を受信して行う有線放送の場合を含む)を受信して、インターネット等で送信するために、サーバー等の「自動公衆送信装置」に「蓄積」「入力」することにより、「受信者からのアクセスがあり次第『送信』され得る」状態に置くことに関する権利です(第99条の2)。
この権利は、いわゆる「ウェブキャスト」のように、受信した番組を録音・録画せず、(サーバー等を通じて)そのまま流す場合が対象です。
(有線放送事業者)
有線放送を受信して、インターネット等で送信するために、サーバー等の「自動公衆送信装置」に「蓄積」「入力」することにより、「受信者からのアクセスがあり次第『送信』され得る」状態に置くことに関する権利です(第100条の4)。
この権利は、いわゆる「ウェブキャスト」のように、受信した番組を録音・録画せず、(サーバー等を通じて)そのまま流す場合が対象です。 - 放送
- 「公衆送信」のうち、公衆(不特定又は特定多数の人)によって同一の内容 (著作物に限らない) が同時に受信されることを目的として行う無線の送信であり、具体的には、テレビ放送のように、番組が「常に受信者の手元まで届いている」ような送信形態のものです(第2条第1項第8号)。
- 有線放送
- 公衆送信のうち、公衆によって同一の内容(著作物に限らない)が同時に受信されることを目的として行う有線電気通信の送信をいいます(第2条第1項第9の2号)。音楽有線放送、CATVなどが該当します。
- レコード製作者
- ある音を最初に固定(録音)して原盤(レコード)を作った者のことをいいます(第2条第1項第6号)。