Q.

インターネット上で違法配信されている音楽や映画などを、個人的に使うためだけであれば、違法配信と知りながらダウンロードしても問題ありませんか?

 映像の著作権  | 関連用語: 私的使用のための複製

A.

個人的な利用であっても、著作権者の許諾なしにはできません。

インターネットで音楽や映像を配信する場合にも、著作権をもつ製作者などに了解を得て、所定の使用料を支払うことが必要です。このように、適法なインターネット配信事業、CDやレンタルDVD等の流通による収益が、クリエイターの次の創作を生み出す原資になっています。

しかし、近年、インターネット上で音楽や映画などが多数無断で配信されていることが問題になっており、そこから音楽や映像をダウンロードする利用者も多くなっています。

このような違法配信が広まると、音楽や映画を作る会社が大きな経済的損害を受け、作る人たちのモチベーション低下を招き、よい作品が減り、結局は日本の文化芸術の衰退を招くことにつながります。

以前の著作権法では、著作権を侵害して配信されている音楽や映画であると知っていても、個人的な利用のためにダウンロードすることは違法とはされてきませんでした。

しかし、違法な流通の規模はますます大きくなり、技術的にも制約があることから、違法配信への対処だけでは限界が生じていました。

このような状況を受けて、著作権法の改正が行われ、平成22年1月より、著作権を侵害したインターネット配信だと知りながら、音楽・映像を権利者に無断でダウンロードする行為は、第30条第1項に定められた個人的に楽しむ目的であっても、違法(権利侵害)とされました。(第30条第1項第3号)

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用語の説明

私的使用のための複製
著作権の制限規定の一つです(第30条)。

「テレビ番組を録画しておいて後日自分で見る場合」などのように、「家庭内など限られた範囲内で、仕事以外の目的に使用することを目的として、使用する本人が複製する場合」の例外です。インターネットを通じて得た著作物をダウンロードしたりプリントアウトしたりすること(いずれも「複製」に該当する)にも、この例外は適用されます。また、学校の児童生徒などが本人の「学習」のために行う複製(コンピュータ、インターネット等の利用を含む)も、この例外の対象です。
【条件】
ア 家庭内など限られた範囲内で、仕事以外の目的に使用すること
イ 使用する本人が複製すること(指示に従って作業してくれる人に頼むことは可能)
ウ 誰でも使える状態で設置してあるダビング機など(当分の間は、コンビニのコピー機など「文献複写」のみに用いるものは除く)を用いないこと
エ コピーガードを解除して(又は解除されていることを知りつつ)複製するものでないこと
オ 著作権を侵害したインターネット配信と知りながら、音楽や映像をダウンロードするものでないこと

なお、政令(著作権法施行令)で定めるデジタル方式の録音録画機器・媒体を用いてコピー(複製)する場合には、著作権者に「補償金」を支払う必要がありますが、これらの機器・媒体については、販売価格に「補償金」があらかじめ上乗せされていますので、利用者が改めて「補償金」を支払う必要はありません。