業者に委託して作成したコンピュータソフトを自社内で使用する際は、自由に複製できますか。
プログラムの著作権 | 関連用語: 著作者人格権 同一性保持権 プログラムの著作物の所有者による複製等
業者との契約の内容によって決まります。プログラムの著作者はそれを作成した業者ですが、著作権は契約によりその全部又は一部を譲渡することができます(第61条)。委託者に著作権が譲渡された場合は、委託者は著作権者として自由に複製することができますし、著作権の譲渡を受けていなくても、契約に定められた利用範囲内であれば複製することができます。また、利用条件が定められていない場合は、ソフトの利用に当たり、著作者人格権の同一性保持権も一定の範囲で制限されることになっています(第20条第2項)。
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用語の説明
- 著作者人格権
- 著作者の人格的な利益について、法律上の保護を図るものです。著作者人格権は、その性質上、著作者固有の権利として認められるものであり、他人に譲渡することができない「一身専属的な権利(第59条)」とされています。
著作者人格権には、公表権(第18条)、氏名表示権(第19条)、同一性保持権(第20条)がありますが、これらを侵害しない行為であっても、著作者の名誉又は声望を害する方法により著作物を利用する行為は、著作者人格権の侵害とみなされます(第113条第6項)。 - 同一性保持権
- 自分の著作物の内容や題号を、自分の意に反して無断で「改変」(変更・切除等)されない権利です(第20条)。
ただし、著作物の性質やその利用の目的・態様に照らしてやむを得ないと認められる場合は除かれます。例えば、印刷機の性能の問題で色がうまく出ないとか、「歌手の歌が下手」などという場合が、これに当たります。 - プログラムの著作物の所有者による複製等
- 著作権の制限規定の一つです(第47条の3)。 プログラムの著作物の所有者は、その滅失や毀損に備えてバックアップ・コピーを作成することや、プログラムの機能を向上させるためのバージョンアップ(翻案)を行うことができます。なお、滅失以外の理由で当該プログラムの著作物の所有権を失った場合(他人に譲渡した場合など)には、この規定の適用を受けて作成された複製物は、廃棄しなければなりません。