Q.

行政機関情報公開法、情報公開条例等に基づき、行政機関が保有している著作物である情報を公開する場合、著作権の問題はないのですか。

 著作権の汎用的な質問

A.

原則として著作権・著作者人格権は制限され、著作権法上の問題は生じません。

私権である著作権が行政機関情報公開法、独立行政機関等情報公開法、情報公開条例の円滑な運用を阻害しないよう著作権法上手当を施しています。すなわちこれらの法律・条例が定める方法で情報を開示するときは、必要と認められる限度において、著作権者の許諾なしに著作物を利用できます(第42条の2)。また未公表著作物であっても、情報開示決定の時までに反対の意思表示を著作者がしないときは開示に同意したものとみをされます(第18条)。なお、人の生命、健康、生活、財産を保護するために公にすることが必要とみとめられる情報であるとき、あるいは公務員の職務遂行に関する情報であるときは著作者の意思にかかわらず公表ができます。さらに氏名表示省略の特例も設けられています(第19条)。

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