Q.

夏休みの図書館活動の一環で、子供たちを集めて本の朗読会を行うのですが、著作権の問題はありますか。

 文章の著作権  | 関連用語: 営利を目的としない上演等(1) 口述権

A.

一般的に問題はありません。

子供たちを集めて本を読み聞かせるのは、著作物の公の口述に該当し、本来は本の著作権者の了解なしにできないのですが(第24条)、非営利、無料かつ無報酬で朗読会を開催する場合には、著作権者の了解が必要ないことになっています(第38条第1項)。

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用語の説明

営利を目的としない上演等(1)
著作権の制限規定の一つです(第38条)。複製以外の方法により著作物を利用する場合において、著作権者の了解が必要ないときの要件を定めています。著作物の利用方法に応じ次のような要件が満たされた場合は、著作権者の了解は必要ありません。

1 学校の学芸会、市民グループの発表会、公民館・図書館等での上映会など(第38条第1項)
【条件】
ア 「上演」「演奏」「口述」「上映」のいずれかであること(「複製・譲渡」や「公衆送信」は含まれない)
イ 既に公表されている著作物であること
ウ 営利を目的としていないこと
エ 聴衆・観衆から料金等を受けないこと
オ 出演者等に報酬が支払われないこと
カ 慣行があるときは「出所の明示」が必要(第48条)

2 「非営利・無料」の場合の「放送番組の有線放送」(第38条第2項)
「難視聴解消」や「共用アンテナからマンション内への配信」など、放送を受信して同時に有線放送する場合の例外です。
【条件】
ア 営利を目的としていないこと
イ 聴衆・観衆から料金を受けないこと
口述権
「言語の著作物」を、朗読などの方法により口頭で公衆に伝達することに関する権利です(第24条)。「口述」には、CDなどに録音された著作物を再生することや、著作物の口述を離れた場所にあるスピーカー等に送信して伝達することも含まれます。