Q.

夏休みの図書館活動の一環で、子供たちを集めて市販のアニメ映画ソフトの上映会を行おうと考えているのですが、著作権の問題はありますか。貸しビデオ店から借りてきたソフトを用いて行う場合はどうですか。

 映像の著作権  | 関連用語: 営利を目的としない上演等(1) 上映権

A.

原則として問題はありませんが、ビデオを入手するときの契約に注意が必要です。

子供たちを集めてアニメ映画を上映することは、一般に映画の著作物の公の上映に該当し、本来は著作権者の了解なしにはできないのですが(第22条の2)、非営利・無料の上映は、著作権者の了解なしにできますので(第38条第1項)、質問の場合は一般的に問題ありません。しかし、例えば、貸ビデオ店からソフトを借りる場合は、その店の会員となる必要があるので、その際に、個人視聴以外は使わないなどの約束(契約)を取り交わしている場合もあると思われます。このような場合は、原則としてその契約の内容に従うことになります。

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用語の説明

営利を目的としない上演等(1)
著作権の制限規定の一つです(第38条)。複製以外の方法により著作物を利用する場合において、著作権者の了解が必要ないときの要件を定めています。著作物の利用方法に応じ次のような要件が満たされた場合は、著作権者の了解は必要ありません。

1 学校の学芸会、市民グループの発表会、公民館・図書館等での上映会など(第38条第1項)
【条件】
ア 「上演」「演奏」「口述」「上映」のいずれかであること(「複製・譲渡」や「公衆送信」は含まれない)
イ 既に公表されている著作物であること
ウ 営利を目的としていないこと
エ 聴衆・観衆から料金等を受けないこと
オ 出演者等に報酬が支払われないこと
カ 慣行があるときは「出所の明示」が必要(第48条)

2 「非営利・無料」の場合の「放送番組の有線放送」(第38条第2項)
「難視聴解消」や「共用アンテナからマンション内への配信」など、放送を受信して同時に有線放送する場合の例外です。
【条件】
ア 営利を目的としていないこと
イ 聴衆・観衆から料金を受けないこと
上映権
著作物を、機器(映写機、パソコン、テレビ等)を用いて、公衆向けに「上映」する(スクリーンやディスプレイに映し出す)ことに関する権利です(第22条の2)。

この権利は、映画の著作物に限らず、すべての著作物が対象となりますが、「機器」を用いた場合に限定されているので、「現物を直接見せる」(例えば美術作品を展示する)という場合は含まれません。

なお、インターネットを通じて入手し、いったんパソコン内に固定されている「動画」や「静止画」をディスプレイ上に映し出して公衆に見せる行為も、上映に当たります。