Q.

国際機関の刊行物を翻訳出版することは自由に行えますか。

 著作物の出版  | 関連用語: 国際著作権条約 二次的著作物の創作権 保護を受ける著作物

A.

原則として国際機関(著作権者)の了解が必要です。

著作権法では、日本国民の著作物及び最初に国内において発行された著作物のほか、国際条約により我が国が保護の義務を負う著作物を保護することとしています(第6条)。国際条約(ベルヌ条約等)では、国際機関の著作物の著作権を否定する特別の規定はありませんので、条約の一般原則に従い、通常は国際機関の著作物も我が国で保護する必要があります。

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用語の説明

国際著作権条約
著作権及び著作隣接権に関する国際条約を総称していいます。

具体的には、ベルヌ条約、万国著作権条約、実演家等保護条約(ローマ条約)、レコード保護条約、TRIPS協定、著作権に関する世界知的所有権機関条約(WIPO著作権条約)、実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約(WIPO実演・レコード条約)、視覚的実演に関する北京条約があります。
二次的著作物の創作権
ある著作物(原著作物)を、翻訳したり、編曲したり、映画化したり、表現形式を変更したりする等して創作された著作物を二次的著作物と呼びます(第2条第1項第11号)。このように二次的著作物を創作する権利のことを、二次的著作物の創作権(第27条)といい、原作の著作権者の了解がないと二次的著作物は作れないことになっています。なお、この権利は、翻訳権、編曲権、変形権(例えば平面的な著作物を立体的な著作物にすること)、翻案権(脚色化、映画化等)からなっています。
保護を受ける著作物
我が国の著作権法によって保護を受ける著作物は、次のいずれかに該当するものです(第6条)。

(a) 日本国民(法人を含む)が創作した著作物(国籍の条件)
(b) 最初に日本国内で発行(相当数のコピーの頒布)された著作物(外国で最初に発行 されたが発行後30日以内に国内で発行されたものを含む)(発行地の条件)
(c) 条約により我が国が保護の義務を負う著作物(条約の条件)