Q.

同人誌(月刊誌)にペンネームで1年前から連載している小説が、平成16年(2004年)8月号で終了しました。この著作権はいつまで保護されますか。

 文章の著作権  | 関連用語: 継続的刊行物等の公表の時 無名又は変名の著作物の保護期間

A.

原則として2054年12月31日までと考えられます。

ペンネーム(変名)による公表ですので、著作物の公表後50年まで保護されます(第52条第1項)。この場合、公表の時がいつになるかですが、継続的刊行物に一部分ずつを逐次公表して完成する著作物については、原則として最終部分の公表の時とすると定められていますので(第56条)、質問の場合は、平成16年(2004年)に公表されたことになります。また、期間の計算は暦年計算ですので、計算上は翌年の1月1日から50年ということになります。以上の点から質問の場合の保護期間は、平成16年(2004年)に50を加えた2054年の12月31日までということになります。なお、そのペンネームが世間に周知のものであり、本名と同様の効果を有している場合は、著作者の死後50年保護されます(第52条第2項)。

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用語の説明

継続的刊行物等の公表の時
新聞・雑誌等の継続的刊行物 (定期刊行物など) に掲載された著作物についても、原則として保護期間は著作者の「死後50年」までですが、「無名・変名」の著作物の場合のように、保護期間が「公表後50年」とされるものについては、公表時点をいつにするか問題が生じます。これについては、以下のようになります (第56条)。

○著作物の一部分ずつが発行され、一定期間内に完成されるもの(連載小説など)
最終部分が公表されたときから50年
ただし、継続すべき部分が直近の公表の時から3年を経過しても公表されないときは、既に公表されたもののうち最終の部分が公表された時から50年

○上記以外のもの
各号・各冊の公表の時から50年
無名又は変名の著作物の保護期間
著作物の原則的保護期間は、著作者の死後50年までですが、無名又は変名(雅号、筆名、略称等)の著作物については、著作者の特定が出来ないため、公表後50年(死後50年経過が明らかであれば、その時点まで)までです(第52条)。ただし、変名の場合であっても、広く一般に周知されて名前と顔が一致するような変名の場合は原則に戻って死後50年まで保護されます。また、保護期間中に、実名の登録(第75条)が行われた場合や改めて実名で公表し直した場合についても原則に戻ります(第52条第2項)。