今から60年前に作成され公表された我が国の会社名義の報告書がありますが、この報告書の著作権は現在ありますか。
文章の著作権 | 関連用語: 戦時加算 団体名義の著作物の保護期間
原則としてありません。
著作の名義が法人その他の団体である場合、その著作物の保護期間は公表後50年までです。したがって、この報告書の著作権は10年前に消滅しています。なお、外国の会社名義のものについては、戦時加算の適用があるものがありますので注意してください。
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用語の説明
- 戦時加算
- 太平洋戦争後、我が国と連合国が締結したサンフランシスコ平和条約に基づく、保護期間の特例です。条約関係にある連合国の国民が第二次世界大戦前又は大戦中に取得した著作権については、戦争期間中我が国が連合国民の著作権を保護していなかったという前提のもとに、通常の保護期間に戦争期間(昭和16年(1941年)12月8日又は著作権を取得した日から平和条約の発効する日の前日までの実日数(パキスタン1,393日、ニュージーランド1,607日、レバノン2,291日、アメリカ・イギリス・オーストラリア・カナダ・スリランカ(セイロン)・フランス:3,794日、ブラジル:3,816日、オランダ:3,844日、ノルウェー:3,846日、ベルギー:3,910日、南アフリカ:3,929日、ルクセンブルク4,111日、ギリシャ:4,180日))を加算することとなっています(連合国及び連合国民の著作権の特例に関する法律第4条)。なお、この戦時加算は、中立国(スイス、スウェーデン等)、枢軸国(ドイツ、イタリア)には適用はありません。
- 団体名義の著作物の保護期間
- 著作権の保護期間は、原則として著作者の死後50年までですが、死後起算が出来ない又は不適当な著作物については、公表後起算になっています。団体名義の著作物というのは、法人が著作者かどうかにかかわらず、著作者名義が団体名義であるものをいいますが、外形的には著作者が団体であることから死後起算にはなじまないので、公表後50年まで保護されることになっています(第53条)。なお、創作後50年以内に公表されなかったときは、創作後50年となっています。