一般的に、写真撮影の依頼の際の契約の内容によって、公表について同意したかどうかが決まります。
質問のような場合については、当事者間で文書による契約を交わしているケースは稀だと思われますので、依頼の内容や諸般の状況を総合的に勘案して判断せざるを得ないと考えます。例えば、雑誌の掲載するために依頼した場合は公表を前提とした依頼であることは疑いの余地がないと思います。なお、著作権法では、著作権を譲渡した場合や美術作品・写真のオリジナル作品を譲渡した場合等について、一定の範囲で公表に同意したと推定するという規定が定められており、著作者側が反証しなければ、同意したものと取り扱われます(第18条第2項)。
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用語の説明
- 公表権
- 著作者人格権の一つで、まだ公表されていない自分の著作物について、それを「公表するかしないかを決定できる権利」(無断で公表されない権利)です(第18条)。 ただし、「未公表の著作物」の「著作権 (財産権)」を譲渡した場合や、「美術の著作物の原作品」や「写真の著作物で未公表のものの原作品」を譲渡した場合などには、著作物の公表に同意したものと推定されます。
- 著作者人格権
- 著作者の人格的な利益について、法律上の保護を図るものです。著作者人格権は、その性質上、著作者固有の権利として認められるものであり、他人に譲渡することができない「一身専属的な権利(第59条)」とされています。
著作者人格権には、公表権(第18条)、氏名表示権(第19条)、同一性保持権(第20条)がありますが、これらを侵害しない行為であっても、著作者の名誉又は声望を害する方法により著作物を利用する行為は、著作者人格権の侵害とみなされます(第113条第6項)。