Q.

今連載中の漫画は、私と私の友人2人の合計3人でアイディアを出しながら共同で描いたものですが、この漫画の著作権は誰のものですか。

 絵の著作権  | 関連用語: 共同著作物 共同著作物の著作者人格権の行使 共有著作権の行使 著作者

A.

一般的に一つの著作権を3人で有しているという共有の形になると考えられます。

複数の人が共同で一つの著作物を創作し、それぞれの人の創作活動が渾然一体になっていて、それぞれの人が寄与した部分を切り分けて別々に利用することができないものを「共同著作物」といい、創作に寄与した全員が著作者で、著作権は全員が共有します(第2条第1項第12号、第64条、第65条)。なお、アイディアは提供したが、実際の創作活動(この場合は漫画を描くこと)は行なわなかった人がいる場合には、その人は著作者にはなれません。

関連する質問

地域のバザーが開催されることになり、その案内ポスターに人気キャラクターを載せたいと考えていますが、手書きであれば著作権の問題はありませんか。
ある会社から委託を受けて漫画を書きましたが、その会社から著作権は共有にして欲しいといわれました。著作権を共有にした場合私の著作権はどうなるのですか。
数人で一緒に作成した作品の著作権はどうなりますか。
ある人気漫画のキャラクターを参考に作った別のキャラクターをパンフレットに使いたいのですが、少し違っていれば著作権の問題はないのですか。
人気漫画を真似て描いた絵を、加工して自分のホームページに載せることは、著作権の問題がありますか。
人気漫画を真似て描いた絵を、自分のホームページに載せることは、著作権の問題がありますか。
人気アニメのキャラクターは著作物ですか。
公民館で、子供のために定期的に紙芝居をしていますが、購入した紙芝居だけではなく、童話や連載漫画をもとに紙芝居を作りたいのですが著作権の問題がありますか。
私は趣味で漫画を書いていますが、最近私が勤めている会社から会社のマスコットにしたいので漫画を書いて欲しいと頼まれ書きました。この著作権は私にあるのでしょうか。
学校の運動会の準備をしているのですが、クラスで相談して、連載漫画の主人公を応援看板に描くことになりましたが、何か著作権の問題はありますか。

用語の説明

共同著作物
二人以上の者が共同して創作した著作物であって、その各人の寄与分を分離して個別に利用できないものを「共同著作物」と呼びます(第2条第1項第12号)。具体的には、誰がどこを分担すると決めずに共同で書いた場合など、それぞれの人が書いた(創作した)部分を明確に区別できない場合のことです。ただし、第1章は誰、第2章は誰と分担するところを定めて書いた場合はこれに当てはまりません。

共同著作物の場合は、原則として、全員の合意によりその権利を行使することとされています(第65条第2項)。なお、この場合、当該著作権を代表して行使する者を定めることができます。また、著作権の保護期間は、最後に死亡した著作者の死亡時から起算されます(第51条第2項)。
共同著作物の著作者人格権の行使
共同著作物の著作者人格権は、各著作者は信義に反してその合意の成立を妨げることはできないものの、基本的にはその著作者全員の合意がなければ行使することができません(第64条)。なお、この場合、著作者の中から代表者を選出し、著作者人格権を代表して行使させることができます。
共有著作権の行使
共著などの共同著作物の作者や著作権の法定相続が行われたときの遺族等は、複数の者が一つの著作権を共有していることになります。共有にかかる著作権は、権利行使の一体性の確保等を勘案し、持分の譲渡や質権の設定に関し他の共有者の同意がいること、共有者全員の合意がなければ行使することができないことになっています(第65条)。また、共有著作権の各共有者は、正当な理由がない限り、行使の同意を拒んだり、合意の成立を妨げることはできません。なお、共同著作物の著作者人格権の行使と同様に共有著作権についても、各共有者の中から代表者を選出し、著作権を代表して行使させることができます。
著作者
著作者とは、「著作物を創作した者」のことです(第2条第1項第2号)。一般には、自然人が著作者ですが、我が国の場合、一定の条件を満たした場合には、法人等が著作者になるときがあります(第15条)。また、一般に小説家や画家や作曲家などの「創作活動を職業とする人」だけが著作者になると考えられがちですが、創作活動を職業としていなくても、作文・レポートなどを書いたり、絵を描いたりすれば、それを創作した人が著作者になります。つまり、小学生や幼稚園児などであっても、絵を描けばその絵の著作者となり、作文を書けばその作文の著作者となります。上手いか下手かということや、芸術的な価値などといったことは、一切関係ありません。また、私たちが手紙を書けば、多くの場合、その手紙が著作物となります。私たちは、日常生活を送る中で、多くの著作物を創作しています。ただ、そうした著作物が出版されたり、放送されたりして経済的に意味のある形で利用されることがほとんどないため、著作者であることや著作権を持っていることを意識することが少ないだけのことです。