Q.

大学の事務局で市販の雑誌やその他の資料を複写して業務利用することは、著作権の問題はありますか。

 文章の著作権  | 関連用語: 学校その他の教育機関による複製等 私的使用のための複製

A.

著作権者の了解が必要です。

大学の事務局が業務利用のために行う著作物の複写は、私的使用のための複製(第30条)、学校その他の教育機関における複製(第35条)など、著作権者の了解なしに著作物を利用できる特例の適用がないので、原則に戻り著作権者の了解が必要です。

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用語の説明

学校その他の教育機関による複製等
著作権の制限規定の一つです(第35条第1項)。学校・公民館などで教員等や授業を受ける者(学習者)が教材作成などを行うために複製する場合の例外です。インターネットを通じて得た著作物をダウンロードしたり、プリントアウト・コピーして教員等が教材作成を行ったり、学習者が教材としてコピーしたものを他の学習者に配布して使うような場合にも、この例外は適用されます。

【条件】
ア 営利を目的とする教育機関でないこと
イ 授業等を担当する教員等やその授業等を受ける学習者自身が複製すること(指示に従って作業してくれる人に頼むことは可能)
ウ 授業の中でその複製物を使用すること
エ 必要な限度内の部数であること
オ 既に公表されている著作物であること
カ その著作物の種類や用途などから判断して、著作権者の利益を不当に害しないこと(ソフトウェアやドリルなど、個々の学習者が購入することを想定して販売されているものをコピーする場合等は対象外)
キ 慣行があるときは「出所の明示」が必要(第48条)
私的使用のための複製
著作権の制限規定の一つです(第30条)。

「テレビ番組を録画しておいて後日自分で見る場合」などのように、「家庭内など限られた範囲内で、仕事以外の目的に使用することを目的として、使用する本人が複製する場合」の例外です。インターネットを通じて得た著作物をダウンロードしたりプリントアウトしたりすること(いずれも「複製」に該当する)にも、この例外は適用されます。また、学校の児童生徒などが本人の「学習」のために行う複製(コンピュータ、インターネット等の利用を含む)も、この例外の対象です。
【条件】
ア 家庭内など限られた範囲内で、仕事以外の目的に使用すること
イ 使用する本人が複製すること(指示に従って作業してくれる人に頼むことは可能)
ウ 誰でも使える状態で設置してあるダビング機など(当分の間は、コンビニのコピー機など「文献複写」のみに用いるものは除く)を用いないこと
エ コピーガードを解除して(又は解除されていることを知りつつ)複製するものでないこと
オ 著作権を侵害したインターネット配信と知りながら、音楽や映像をダウンロードするものでないこと

なお、政令(著作権法施行令)で定めるデジタル方式の録音録画機器・媒体を用いてコピー(複製)する場合には、著作権者に「補償金」を支払う必要がありますが、これらの機器・媒体については、販売価格に「補償金」があらかじめ上乗せされていますので、利用者が改めて「補償金」を支払う必要はありません。