Q.

図書館利用者のために、別の図書館が作製した書誌データベースを館内LANに複製し、館内のパソコンで利用できるようにすることはできますか。

 データベースの著作権  | 関連用語: データベースの著作物 複製権

A.

一般的には著作権者の了解が必要です。

一般にデータベースも著作物として保護されますので(第12条の2第1項)、これを館内LANのサーバーに蓄積することは、データベースの著作物の複製に該当することになります(第21条)。なお、データベースに書籍の抄録が含まれている場合は、個々の抄録も著作物となることがあるため、最初の契約時にどの範囲までデータベースを使えるのか明確にしておいた方がよいと思います。

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用語の説明

データベースの著作物
データベースとは、「論文、数値、図形その他の情報の集合物であって、それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したもの(第2条第1項第10号の3)」をいい、その情報の選択又は体系的な構成によって創作性を有するデータベースは著作物としての保護を受けます(第12条の2)。

例えば、学術論文の書誌事項や全文を蓄積したデータベース、企業内の従業員に関する情報や顧客情報を蓄積したデータベースなどがあります。

データベースの著作物は、編集著作物と類似する面を持っていますが、「素材の配列」ではなく「情報の体系的な構成」に著作物としての重要な要素を認めている点で異なっています。「体系的な構成」とは、コンピュータで検索するためのコード、個々の情報の属性(数値なのか文字なのかなど)、情報の文字数や桁数などを設定し、それに従って情報を整理し、組み立てることを言います。
複製権
手書き、印刷、写真撮影、複写、録音、録画、パソコンのハードディスクやサーバーへの蓄積など、どのような方法であれ、著作物を「形のある物に再製する」(コピーする) ことに関する権利で、すべての著作物を対象とする最も基本的な権利です。「生」のものを録音・録画・筆記するようなことも含まれます(第21条)。

なお、脚本等の演劇用の著作物の場合は、それが上演・放送されたものを録音・録画することも、複製に当たります。

また、建築の著作物に関しては、その「図面」に従って建築物を作ることも、複製に当たります (建築に関する図面自体は、「図形の著作物」として保護されます)。