Q.

著作者が死亡してその遺族が複数いますが、その場合の利用許諾手続はどうすればよいのでしょうか。

 著作権の汎用的な質問  | 関連用語: 共有著作権の行使

A.

原則として、複数の遺族全員から了解を得る必要があります(第65条第2項)。

例えば著作権が法定相続され遺族の共有になっている場合は、このような結論になります。しかし、著作者が、遺言でだれか特定の遺族または縁者に著作権を遺贈している場合、遺族間の遺産分割協議により特定の遺族が著作権を単独で相続している場合、複数の遺族が相談して共有著作権の行使について代表者を定めている場合(第65条第4項)なども考えられるので、利用にあたって誰に許諾の手続きをとればよいかよく調べる必要があります。

用語の説明

共有著作権の行使
共著などの共同著作物の作者や著作権の法定相続が行われたときの遺族等は、複数の者が一つの著作権を共有していることになります。共有にかかる著作権は、権利行使の一体性の確保等を勘案し、持分の譲渡や質権の設定に関し他の共有者の同意がいること、共有者全員の合意がなければ行使することができないことになっています(第65条)。また、共有著作権の各共有者は、正当な理由がない限り、行使の同意を拒んだり、合意の成立を妨げることはできません。なお、共同著作物の著作者人格権の行使と同様に共有著作権についても、各共有者の中から代表者を選出し、著作権を代表して行使させることができます。