Q.

市販のイラスト集のイラストを私個人のホームページで使いたいと考えているのですが、イラストの作家の了解なしに使ってもいいのでしょうか。

 絵の著作権  | 関連用語: 営利を目的としない上演等(1) 公衆送信 公衆送信権 私的使用のための複製 複製 複製権

A.

あらかじめ認められた範囲外の利用であれば、著作権者の了解が必要です。

市販のイラスト集は購入者の利用を前提としており、通常は一定範囲の利用をあらかじめ認めていると考えられますので、イラストをホームページで使うことが可能かどうかイラスト集の注意書等で確認してください。なお、著作権法上、個人的な利用目的であれば、「私的使用のための複製」として著作権者の了解なしに著作物を複製することができますが、質問の場合は、他人に提供するために利用することから、この特例の適用はありません(第30条)。また、ホームページへ掲載すれば公衆送信が行われることになりますが、質問のようなインターネット送信の場合は、個人のサイトで非営利で送信が行われるとしても、著作権者の了解が必要です(第23条、第38条)。

関連する質問

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新聞に��っている人事異動、死亡、イベントなどのお知らせ記事は著作物ですか。
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用語の説明

営利を目的としない上演等(1)
著作権の制限規定の一つです(第38条)。複製以外の方法により著作物を利用する場合において、著作権者の了解が必要ないときの要件を定めています。著作物の利用方法に応じ次のような要件が満たされた場合は、著作権者の了解は必要ありません。

1 学校の学芸会、市民グループの発表会、公民館・図書館等での上映会など(第38条第1項)
【条件】
ア 「上演」「演奏」「口述」「上映」のいずれかであること(「複製・譲渡」や「公衆送信」は含まれない)
イ 既に公表されている著作物であること
ウ 営利を目的としていないこと
エ 聴衆・観衆から料金等を受けないこと
オ 出演者等に報酬が支払われないこと
カ 慣行があるときは「出所の明示」が必要(第48条)

2 「非営利・無料」の場合の「放送番組の有線放送」(第38条第2項)
「難視聴解消」や「共用アンテナからマンション内への配信」など、放送を受信して同時に有線放送する場合の例外です。
【条件】
ア 営利を目的としていないこと
イ 聴衆・観衆から料金を受けないこと
公衆送信
公衆によって直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信を行うことをいいます(第2条第1項第7の2号)。公衆送信は、その利用形態によって、放送や有線放送のように同一の内容を同時に公衆へ送信する形態のもの(第2条第1項第8号、第2条第1項第9号の2)と、インターネット送信のように利用者のリクエストに応じて送信する形態の2つに大別されます。また後者は、更にホームページに掲載された情報が利用者の求めに応じ送信されるように送信行為が自動的に行われるものを「自動公衆送信」(第2条第1項第9の4号)と呼び、ファックス送信のように利用者の求めに応じ手動で送信する場合と区別しています。これは、自動公衆送信については、ホームページに情報を掲載している状態すなわち利用者の求めがあればいつでも送信できる状態に置くことを「送信可能化」(第2条第1項第9の5号)の状態とし公衆送信の概念に含めているからです。したがって、権利者側から見れば、自分の著作物がホームページに掲載されている状態をもって公衆送信権(第23条第1項)侵害を主張できるため、送信行為があったことの立証負担が軽減されることになります。

なお、同一の建物内や敷地内で有線LANもしくは無線LANを用いて送信する行為は、コンサート会場でのマイク設備を用いて行う送信等とのバランスを考慮し、プログラムの著作物を除き公衆送信には該当せず、例えば音楽の演奏、脚本の上演、映画の上映、本の口述に該当することになっています。
公衆送信権
公衆送信権は、著作物を公衆向けに「送信」することに関する権利(第23条)であり、公衆向けであれば、無線・有線を問わず、あらゆる送信形態が対象となります。具体的には、次のような場合が含まれます。

(a) テレビ、ラジオなどの「放送」や「有線放送」
(著作物が、常に受信者の手元まで送信されているような送信形態)
(b) インターネットなどを通じた「自動公衆送信」
(受信者がアクセスした(選択した)著作物だけが、手元に送信されるような送信形態。受信者が選択した著作物を送信する装置(自動公衆送信装置=サーバーなど)の内部に著作物が蓄積される「ホームページ」のような場合と、蓄積されない「ウェブキャスト」などの場合がある)
(c) 電話などでの申込みを受けてその都度手動で送信すること
(ファックスやメールを用いるもの。サーバー等の機器によってこれを自動化したものが (b)の場合。)

上記(b)の場合、この権利は、サーバー等の「自動公衆送信装置」からの「送信」だけでなく、その前段階の行為である、「自動公衆送信装置」への「蓄積」(いわゆるアップロード)や「入力」(ウェブキャストなど蓄積を伴わない場合)などにも及びます。こうした行為により、蓄積・入力された著作物は、「受信者からのアクセス(選択)があり次第『送信』され得る」という状態に置かれるため、これらの行為は「送信可能化」と総称されています。

つまり、無断で「送信可能化」すると、まだ、受信者への送信が行われていなくても、権利侵害となるわけです。

なお、この公衆送信権は、学校内などの「同一の構内」においてのみ行われる「送信」は、プログラム以外は対象とはなりません。ただし、校内LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)を使う場合は、サーバー等に「コピー」ができますので、コピーすることについて著作権者の了解を得ることが必要となります。
私的使用のための複製
著作権の制限規定の一つです(第30条)。

「テレビ番組を録画しておいて後日自分で見る場合」などのように、「家庭内など限られた範囲内で、仕事以外の目的に使用することを目的として、使用する本人が複製する場合」の例外です。インターネットを通じて得た著作物をダウンロードしたりプリントアウトしたりすること(いずれも「複製」に該当する)にも、この例外は適用されます。また、学校の児童生徒などが本人の「学習」のために行う複製(コンピュータ、インターネット等の利用を含む)も、この例外の対象です。
【条件】
ア 家庭内など限られた範囲内で、仕事以外の目的に使用すること
イ 使用する本人が複製すること(指示に従って作業してくれる人に頼むことは可能)
ウ 誰でも使える状態で設置してあるダビング機など(当分の間は、コンビニのコピー機など「文献複写」のみに用いるものは除く)を用いないこと
エ コピーガードを解除して(又は解除されていることを知りつつ)複製するものでないこと
オ 著作権を侵害したインターネット配信と知りながら、音楽や映像をダウンロードするものでないこと

なお、政令(著作権法施行令)で定めるデジタル方式の録音録画機器・媒体を用いてコピー(複製)する場合には、著作権者に「補償金」を支払う必要がありますが、これらの機器・媒体については、販売価格に「補償金」があらかじめ上乗せされていますので、利用者が改めて「補償金」を支払う必要はありません。
複製
印刷、写真、複写、録音、録画その他の方法により有形的に再製することを言います(第2条第1項第15号)。また、次に掲げるものについては、それぞれ次に掲げる行為を含みます。

[1]脚本その他これに類する演劇用の著作物・・・当該著作物の上演、放送又は有線放送を録音し、又は録画すること。
[2]建築の著作物・・・建築に関する図面に従って建築物を完成すること。
複製権
手書き、印刷、写真撮影、複写、録音、録画、パソコンのハードディスクやサーバーへの蓄積など、どのような方法であれ、著作物を「形のある物に再製する」(コピーする) ことに関する権利で、すべての著作物を対象とする最も基本的な権利です。「生」のものを録音・録画・筆記するようなことも含まれます(第21条)。

なお、脚本等の演劇用の著作物の場合は、それが上演・放送されたものを録音・録画することも、複製に当たります。

また、建築の著作物に関しては、その「図面」に従って建築物を作ることも、複製に当たります (建築に関する図面自体は、「図形の著作物」として保護されます)。