Q.

あるデザイン会社にイメージキャラクターを描いてもらい著作権の譲渡契約を締結したのですが、別の会社から著作権侵害と言われました。調べたところデザイン会社が著作権を二重に譲渡していたようですが、私には著作権はないのですか。

 絵の著作権  | 関連用語: 著作権(著作隣接権、出版権)の登録 登録制度

A.

契約の前後にかかわらず、一般に先に文化庁(プログラムの著作物の場合は(財)ソフトウエア情報センター)に著作権譲渡の登録をした方が第三者に対抗する(別の会社に対しても自分が真の著作権者であることを主張する)ことができます(第77条)。

著作権の譲渡は一般に契約により行われますが、契約が有効に成立していれば、その時点で著作権は譲渡され、著作権を譲り受けた者は以後著作権者として他人に著作物の利用を許諾することができます。しかし、著作権が二重に譲渡された場合は、どちらが真の著作権者が確定しないと世の中が混乱することになりますので、そのための登録制度が著作権法で用意されています。なお、別の会社が先に著作権譲渡の登録をしている場合は、あなたの会社が著作権者であるとの主張はできないことになりますが、二重譲渡を行ったデザイン会社に対し、損害賠償等を求めることはできます。

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用語の説明

著作権(著作隣接権、出版権)の登録
著作権等に関する登録制度の一つです(第77条、第88条、第104条)。著作権(著作隣接権)の登録とは、登録権利者及び登録義務者が、
[1]著作権(著作隣接権)の移転(譲渡など)・処分の制限について、又は
[2]著作権(著作隣接権)を目的とする質権の設定・移転・変更・消滅・処分の制限について、
文化庁(プログラムの著作物の場合は、文化庁の指定登録機関である(財)ソフトウエア情報センター)の登録を受けることができる制度です。著作権等に係る権利の変動に関しては、登録しなければ、第三者に対抗することができません。
登録制度
著作権は著作物を創作した時点で自動的に発生し、その取得のためになんら手続を必要としません。この点が、登録することによって初めて権利が発生する「特許権」や「実用新案権」などと異なる点です。

著作権法上の登録制度は、権利取得のためのものではなく、著作物に係る法律事実を公示する、或いは、著作権、出版権又は著作隣接権について、権利の移転、質権の設定等の権利変動があった場合の取引の安全を確保するための制度です。

著作権法では次のような登録制度を設けています。

[1]実名の登録(著作物、第75条)
[2]第一発行(公表)年月日の登録(著作物、第76条)
[3]創作年月日の登録(プログラムの著作物、第76条の2)
[4]著作権又は著作隣接権の移転等の登録(第77条、第104条)
[5]出版権の設定等の登録(法第88条)

登録申請は、文化庁著作権課にて受け付けています。なお、プログラムの著作物については、(財)ソフトウェア情報センター(SOFTIC)にて受け付けています。